フラダンスは、女性が踊る踊りという印象を持っている方が多いかもしれません。確かに、日本人女性のフラダンサーは約40万人いると言われています。では、男性のダンサーはどのくらいいると思いますか?そもそも、男性がフラダンスを踊るの?!と思ってしまうかもしれませんね。見かける機会は少ないかもしれませんが、日本全国に男性のフラダンサーは約1000人いるといわれています。日本ではまだまだ少ないですが、本場ハワイでは男性のダンサーも珍しくありません。ハワイ語で男性のことを「カネ」といいます。ですから、男性によるフラダンスを「カネフラ」とよびます。

選ばれた男性の踊り

大昔、まだ文字を持っていなかったハワイの人々は「フラダンスを踊る」ことで神への信仰心や自然への感謝の気持ちなどを伝えていました。この時代のフラダンスは現代よりももっと奥深い神聖なもので、宗教的な儀式の一部として踊られていたようです。そのため、厳しい修行や訓練を受けた選び抜かれた人しか踊ることができませんでした。

古典的なフラダンス、「カヒコ」

現在のフラダンスには、「カヒコ」と「アウアナ」の2種類あります。「カヒコ」は古典的なフラダンスであり、「アウアナ」は現代的なフラダンスであるという点が大きな違いです。
カヒコは、神や王への賛歌を起源としているので、その昔は選ばれた男性しか踊ることができませんでした。カヒコはとても宗教的で神聖な踊りであるため、ウクレレのメロディーにあわせてゆったりと踊るというものではありません。カヒコの音楽は主に、打楽器を使用します。打楽器をたたきながら、祈りや呪文のようなものを唱え、儀式にのっとった踊りを踊ります。打楽器の響きや男性の力強いステップは、厳粛で勇敢であり、男性ならではの迫力を感じることができます。たくさんの男性が息をあわせて一緒に踊る姿は、まさに圧巻です!
現在では、女性もカヒコを踊ることができますが、衣装やアクセサリーには制約がありアウアナよりもシンプルです。フラダンスが愛を歌うような「女性の踊り」となったのは近年のことです。

カヒコの衣装

カヒコの衣装

みなさんがフラダンスの衣装として思いつくような華やかなスカートは、実は「アウアナ」の衣装です。カヒコの場合は、そのような色鮮やかなスカートを自由に履くということはありません。カヒコはその起源から、貴金属などの装飾品は外して自然の植物をまとうことが基本とされています。これは、精霊の力を宿すためです。ハワイの人がココナッツのブラをして踊っている姿をみたことがあるかもしれませんが、これもただ単におしゃれをしているのではなく、同じ理由からなのです。
カヒコでは、ティーリーフスカートを身につけます。ティーは魔除けの力を持っている神聖な植物です。そして、手首や足首、頭にはティーやシダでつくったレイをつけます。身につけるものは全て自分で作ると精霊の力を引き出すことができるとされています。

男性のフラダンス、カネフラの魅力

カネフラは、ゆったりと流れるように踊る女性のフラダンスとは違って、力強さが一番の魅力と言えるでしょう。
カネフラは基本的に、女性のように腰を動かすことはなく手も直線的に動かします。男性が女性のようにフラダンス踊るということではなく、カネフラは全く別のものなのです。
カネフラは、バランスのとりにくい体勢で踊ることもあるので、体幹の強さも必要になります。そのため、カネダンサーは技術だけでなく足腰を鍛えるなどの体力作りも重要です。ハワイでは、美しく引き締まったたくましい体でなくてはカネダンサーとして認められないともいわれています。このようにして、鍛え上げられた男性のキレのあるたくましい動きが、人々を圧倒するほどのパフォーマンスを生み出すのです。
また、カネフラの魅力は迫力ある踊りだけでなく、「声」にもあります。男性の力強い低い声が重なって響きわたり、ハワイの大地や自然を愛する人々の神聖で厳かな雰囲気を作り出します。男性の落ち着きのある低く幅の広い声は、聴く人を引き込みしっとりとした心地のよさを与えます。

男性なら「カネクラス」

カネフラをやってみたいな…と思ったら女性のフラダンスのクラスに参加するのではなく男性クラスのある教室を探してみましょう。足腰を鍛えたい、美しく体を引き締めたいという方にも非常におすすめです。日本では、カネフラを見る機会が多くないのでインターネットなどで動画をみてみるといいかもしれませんね。ハワイで行われている世界最大のフラダンスの祭典「メリーモーク」などでは、力強い男性の踊りもたくさん見ることができます。
カネフラは、誰でもすぐにできるというものではありませんが、仲間と一緒に体を鍛えて汗を流すことは日常生活では味わえない魅力的な体験となるのではないでしょうか?皆さんも動きにキレのある迫力満点のカネフラに触れてみませんか。