フラダンスの最後の方に、フラダンサーが一斉に何かを叫ぶように掛け声をするのを聞いたことがあるでしょうか。この掛け声は「カヘア」と呼ばれるものですが、ほとんどのフラダンスでなされている行為です。この「カヘア」、一体なぜ掛け声をするのでしょうか。また、どんなことを掛け声として言っているのでしょうか。「カヘア」についてお伝えします。

フラダンスの最後に登場する掛け声が「カヘア」

フラダンスショーなどを見ていると、フラダンスの曲の最後の方に、ダンサーなどが一斉に掛け声をします。これを「カヘア」といい、基本的に必ず言うことになっています。「カヘア」は、ハワイの言葉で「kāhea」と書きます。

これは、「フラ・カヒコ」という古典的なフランダンス、「フラ・アウアナ」という現代的スタイルのフラダンスともに共通しており、「今のは、○○についての歌でした」ということを示す掛け声になります。

「カヘア」は、ハワイの言葉で「呼ぶ」「大声を上げる」「祈る」「神にあいさつする」などの意味があります。見ている人には、なんてことのない掛け声に見えるかもしれません。しかし、ダンサーたちにとって重要な行いでもあるのです。

曲の最初にも登場する「カヘア」

また、曲の最初に掛け声をする「カヘア」もあります。ダンサー同士が次はここを踊るといった確認に使われ、演奏者であるチャンターとの確認にも使われているのが一般的です。曲が1番、2番、3番などある場合は、1番の最初、2番の最初に「カヘア」を言います。「次に○○を踊ります」という宣言で使われるのです。この「カヘア」を言わないと、曲が終わってしまう場合もあります。

「カヘア」を宣言するときには、きちんとお腹から声を出すようにしましょう。また、間奏など曲の合間に言われる「カヘア」もあります。

なぜカヘアを言うの?

なぜカヘアを言うの?

どうしてダンサーは、「カヘア」を言うのでしょうか。これは、フラダンスが神々への祈りの儀式として用いられてきたことも理由のひとつといえるのかもしれません。詠唱とともに踊るのが古典的なフランダンスです。この詠唱を表現するのがダンスで、「カヘア」は、その詠唱のタイトルや冒頭の一部を神々に伝えるもの。ダンサーや演奏者が相互の確認するツールでもあります。

複数のダンサーが同時に「カヘア」を言うことは息が合わないとかなり難しい行為です。踊っている曲の合間などに同時に発声しなければなりません。特に古典的なフランダンスでは「カヘア」が重視されていますので、「カヘア」だけの練習をきちんとすることになります。

また、古典的なフランダンスだけでなく、現代的スタイルのフラダンスでも「カヘア」を重視されているのは、その曲の想いをきちんと理解したうえで踊ることがフラダンスだからです。

フラダンスは、その踊りを通して愛などを伝える伝承行為でもあります。特に、古典的なフラダンスである「フラ・カヒコ」は、すべてが形式的に行われるもので、「カヘア」も重要な意味を持ちます。「フラ・カヒコ」で伝えられるものは、伝説や歴史です。「カヘア」ももちろんハワイの言葉になります。英語ではありません。そのため、「カヘア」の意味をきちんと理解したうえで、カヘアを言う必要があります。

しかも、掛け声は大きな声でしなければなりません。大声で掛け声できるくらい意味を理解していること、皆に理解してもらえるような発音であることが求められます。

フラダンスは、ハワイの歴史とともに歩んできたことから、その歴史的背景も理解することが必要です。日本人だとなかなか理解するのは難しいし、理解するための時間がかかることもあるかもしれません。まず、英語を理解したうえでないと英語の先生からハワイの言葉の意味を教えてもらい理解する場合、「カヘア」の意味がつかみづらいかもしれません。

しかし、日本語ができる先生に教えてもらう場合は、かなり理解が深まるでしょう。ただ、「カヘア」がハワイ語という外国語であるため、発音の習得が難しい傾向です。

そんな難しいこと続きで大変と思う方もいるでしょう。しかし、「カヘア」の意味や、その曲や詠唱の意味を理解することが非常に大切です。自分ものとしてから「カヘア」の宣言してみれば、分かる人にはきちんと伝わっていくでしょう。そして、ダンサー同士の連帯感もより強くなることが期待できます。

フランダンスは、ダンサーによる踊りと詠唱が一体になって伝説や歴史伝える踊りです。「カヘア」も詠唱の一部となります。さて、この「カヘア」は、他の踊りにはないのでしょうか。タヒチアンダンスなど他のミクロネシア諸島の踊りにはないと言います。そのため、「カヘア」はフラダンス独特の文化といってもいいでしょう。

踊るだけでなく見ているだけでも

「カヘア」の意味や、どうして「カヘア」を言うのか理解できたのではないでしょうか。「カヘア」は、伝統的なフランダンスでは、詠唱の一部です。また、「カヘア」をすることで、演奏者やダンサーとの連携に役立てることができています。演奏者や複数のダンサーが一体となって、ひとつのフランダンスを作り上げていくのです。

自分が踊るだけでなく、ショーや発表会で見学する際にも、「カヘア」に注目してみましょう。いままでとは見方が変わるかもしれません。カヘアを通じてダンサーの思いを受け取ってみましょう。