タヒチアンダンスのステップの中でも、腰の回転の基礎となるfaarapu(ファアラプ)。少しの言い方の違いはありますが、ファーラップと聞こえるのが一般的でしょう。上級者でも何度も振り返りながら練習する基本ステップですから、タヒチアンダンスをする人にとっては必ずマスターしたいもの。ファーラップは衣装を揺らし、タヒチアンダンスの迫力や魅力を伝える大切な動きなのです。
そこで、今回は「なかなかうまく腰を回せない」「滑らかさが出せない」という方へ、ファーラップを練習する際のポイントについて解説します。
ファーラップを練習する前に必要なこと
初心者の方がタヒチアンダンスを始めると、多くの人が腹筋や背筋、脚にも筋肉痛を感じることがあります。もともと運動不足だった方がはじめれば当然かもしれません。少し意識的にトレーニングをすることで、ファーラップを含む回転を練習する際にも役立つ筋力がついてきます。練習前や日々の筋トレで体を作っていきましょう。
まずは、体幹を鍛えましょう。日本人は腸が長く胴体が長いと言われています。骨盤の位置が高さに対して低いため、体幹がないと上半身がぶれますしファーラップをしても腰だけが動いてしまいます。
体幹を鍛える方法はさまざまで、お尻歩きなどの簡単なものからイスに座ったままできるもの、バランスを取りながら行うものなどさまざまです。体の幹(胴体)を鍛えることで、ファーラップの腰の動きである、前(腹筋)、後ろ(背筋)、横(腹斜筋や腹横筋)の筋肉をそれぞれを使いこなすことができます。
また、上半身より大切なのが脚力です。重い上半身は姿勢を保ったまま腰を動かすとき、土台が弱いとどうしてもブレます。体全体をバランスよくトレーニングしていくのがおすすめです。隙間時間にできる簡単なものからはじめていきましょう。タヒチアンダンスを練習するだけでも筋トレはできますが、運動不足のまま急発進すると体が悲鳴を上げてしまうかもしれません。
ファーラップの練習に取り入れたい柔軟性
タヒチアンダンスでは、ひざ、腰、肩などのあらゆる場所に柔軟性が必要です。体の柔軟性を上げるために、毎日のストレッチは欠かせません。タヒチアンダンスに関わらず、運動や体操系のものは基本です。「柔軟性ってどうすればいいの?」と悩んでしまう方もいるでしょうが、難しく考える必要はありません。小学校の体育で行った、簡単なものから始めましょう。
座って両足前に伸ばし、つま先をつかむように倒れます。このとき、手先にばかり意識を向けずに、おへそから上半身がしなって倒れるようなイメージで行いましょう。倒れた状態を15~20秒間キープして、ひざ裏のストレッチを十分にしてください。
腰を回転させるファーラップは、股関節の柔軟性も大切です。あぐらをかくイメージで座り、足裏同士を合わせます。手でひざを床に向かってゆっくり押し、心地いい場所で15~20秒感キープしましょう。
ストレッチは、体が温まった入浴後がおすすめです。毎日の体メンテナンスだと思って、継続してみましょう。
ファーラップ上達のためのコツ
まず、現時点でファーラップがうまく上達しない方は、自分の姿勢を知る必要があります。鏡越しの練習もいいですが、今はスマホでも動画撮影は簡単にできますので、ぜひ自分のダンス姿を動画で撮影してみてください。客観的に動きを観察することで、何ができていないのか明確になります。
タヒチアンダンスの基本は、まず基本姿勢を守ることです。頭、肩、骨盤、かかと、この4つが中腰の状態で床から垂直になっているかどうかを確認しましょう。足はかかと同士を自然な位置でくっつけて指先は気持ち離します。姿勢を維持したまま中腰になって、ひざは緩めにそろえましょう。
立つときに注意したいのが重心です。かかとに重心をかけるのが基本ですが、人によっては重心を中央にする方がやりやすい方もいます。骨格や筋肉には個人差がありますから、若干の調整はあっても大丈夫です。自分のひざを自由に動かせる位置を探しておきましょう。
ひざの柔らかさがあると、いろいろなタヒチアンダンスのステップが踏みやすくなります。腰の動きが大きくなればなるほど、ひざの動きも大きくなります。基本の構えでは全身の力を入れすぎずに構えるようにします。ひざの位置のバランスに無理があると腰が回りにくいので、調節していきます。
もともと体の硬い方は、柔軟性も高められるように日々のストレッチを怠らないようにします。骨盤のゆがみがあると、腰を回しにくくなりますからひどいゆがみがないかどうか整体などでチェックしてもらうのもいいですね。
また、上半身に柔軟性がないと、腕を上げてハンドモーションをする際に背中(肩甲骨付近)が自然にしまりバランスが悪くなることがあります。腕や肩の柔軟性も、日頃から重点的にストレッチでほぐしておくといいですね。
上達に欠かせないのは基本練習
ファーラップを練習する上で大切なことは、基本の動きを体に記憶させるよう繰り返すこと。また、撮影して動きをチェックすることや、第三者に見てもらう機会を作って評価してもらうことも大切です。
第三者といっても、何でも「いいね」とほめてくる人だけに見てもらうのはいけません。常に改善し続ける姿勢が大事です。スタジオや教室などでコーチしてもらえる先生に、悩みを抱えずすぐに相談するクセをつけましょう。