コラム

みなさんは、フラ・タヒチアンダンスにどのようなイメージを持っているでしょうか?「フラは優雅で女性らしい」「タヒチアンダンスは激しくて男性的」といった印象を持っている方は多いと思います。なかには「動きがシンプルで簡単そう」というイメージがある方もいるでしょう。

実は、フラ・タヒチアンダンスは二つの顔を持っており、単純に一言ではあらわせない、奥が深い踊りなのです。
この記事では、ダンス未経験者・初心者に向け、フラ・タヒチアンダンスが持つ「二面性」についてご紹介していきます。また、ダンス初心者が意識したいポイントについても解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

フラ・タヒチアンダンスの二面性とは?

フラ・タヒチアンダンスは、元々は神や自然に祈りを捧げる儀式として踊られてきたポリネシアの伝統舞踊です。ハワイやタヒチの文化には多くの神話があり、フラ・タヒチアンダンスを踊る人々にとって重要な意味を持っています。

フラを習っている方はご存知かもしれませんが、ハワイ語には「KAPOLAKA(カポラカ)」という言葉があります。カポラカとは「カポ」と「ラカ」という二人の神の名前です。一説ではカポが男神、ラカが女神といわれています。このカポラカという言葉には「一人でも二つ」という意味があり、フラを踊る際に教わる一つの表現です。

ハワイでは「Hula is not easy(フラは決して簡単ではない)」と教えられますが、これはカポラカの「一人でも二つ」という意味と通じています。
フラを踊っているのは自分一人。しかし、そこには二つの顔があります。

フラの動きは、上半身だけを見るととても女性的です。スムーズでありながらも優雅で優しい動きは、女性ならではの美しさを表現しています。
一方、ダンスの基礎である足の動きは、上半身の動きからは想像がつかないほどハード。女性的な優しい動きではなく、男性のような力強さが必要になります。

このように、フラは上半身と下半身でまったく違う動き方をするのが特徴です。カポラカの「一人でも二つ」には、フラという一つの踊りのなかに、二つの顔を持っていることをあらわしています。
これから習い事を始めるという方は、フラやタヒチアンダンスは単純な踊りではなく、二面性を持つ奥が深い踊りであることを理解しましょう。

下半身の特徴は「鴨の足」

フラとタヒチアンダンスは、上半身と下半身でまったく別の動き方をするとお伝えしましたが、未経験者や初心者にとってはなかなかイメージがしにくいですよね。そのような場合は、頭の中に鳥の「鴨」をイメージしてみてください。

鴨は、上半身は水の上に、下半身は水の中に沈めています。スムーズに泳ぎまわる鴨の姿からは、穏やかで優雅な雰囲気が感じられるでしょう。
しかし、水の中の様子はまったく穏やかではありません。水中では忙しく足を動かし、前に進むために一生懸命漕いでいます。上半身のスムーズさの裏には、力強く動かし続ける下半身の存在があるのです。

フラやタヒチアンダンスも、この鴨の動きと同じと考えていいでしょう。上半身だけを見ると笑顔で優雅に踊っているように見えますが、下半身は鴨のように忙しく足を動かしています。
フラやタヒチアンダンスでは、表面に見える動きだけではなく、見えない部分にも重要な動きがあるということを知っておきましょう。

ダンス初心者が意識したいこと

ダンス初心者が意識したいこと

ダンスが初めての場合「どこから覚えたらいいのかわからない」と悩んでしまう方もいるでしょう。お手本の動きを真似することができれば、ある意味それでダンスは完成します。しかし、フラやタヒチアンダンスには基礎があるため、ただ真似をすればいいというものではありません。多くの教室では、基礎を身につけるためにまず基本の姿勢から教わります。

フラやタヒチアンダンスの基本姿勢は、上半身と下半身それぞれに決まりがあることが特徴です。上半身は「肩の位置」「デコルテの位置」「頭の位置」「肘の高さ」「指先までの角度」「目線」のすべてを一つの形として覚え、下半身では「膝を曲げ、踵をしっかり床につける」「重心の移動をする」「足の角度や足幅」のすべてを一つの形として覚えます。

このような基本姿勢について、教室の先生は何度も同じことを言うと思います。その理由は、フラやタヒチアンダンスには決まった形があり、この基本の姿勢をマスターしなければ次へ進むことができないからです。一度にたくさんのことを覚えるのは難しいですが、一つひとつの形が大切であるということは理解する必要があります。基本の形は反復練習をすることで自然と身についてくるので、少しずつ覚えていきましょう。

リズム感はあまり気にしなくてOK

ダンス初心者のなかには「リズム感に自信がない…」と心配に思っている方もいると思います。リズム感を身につけるポイントは、8カウントずつ音にして覚えることです。「1・2・3・4・5・6・7・8」と、8カウント数えることで、リズムがとりやすくなります。

ただ、フラやタヒチアンダンスの場合、リズム感の有無はあまり気にする必要はないでしょう。その理由としては、フラやタヒチアンダンスではリズムとステップを同時に覚えられるからです。リズムはすべての動きと一つになっており、一つのリズムにつき一つのステップがあります。そのため、リズムを覚えようとしなくても自然と体がリズムをとっている状態になるのです。また、フラやタヒチアンダンスは異なるリズムが少ないですし、教室の先生がカウントを口に出してくれることも多いので、リズム感に自信がない方でも踊りやすいといえます。

まとめ

フラやタヒチアンダンスは、上半身と下半身でまったく別の動きをする二面性のある踊りです。初めは体がうまく動かず、ダンスが難しく感じるかもしれませんが、繰り返し練習をすることで必ず上達していきます。

フラやタヒチアンダンスを踊るうえで大切なことは、基本の形や基本のステップに対して耳を傾け、理解し、練習することです。このことを忘れずに、反復練習をしていきましょう。

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