ハワイ語を少し調べてみたら…
ハワイ語はアルファベット12文字からなり、特別な発音記号「カハコー」と「オキナ」を含み、ひとつひとつの単語同士が微妙に関わりながら言葉を作っています。
※カハコー…母音の上に付く横棒― 真っ直ぐに発音するという記号
※オキナ…母音の左肩に付くカンマ‘ 詰まったように発音するという記号
英語のアルファベット48文字や、日本語のように使う文字が多くないのでひとつの単語の意味が全てではなく、前後にくる単語によって違う意味になったりするのです。
その上やっかいな事に、ハワイ語はその土地やそれぞれの情景によって同じ名詞の呼び名が変わったり、kaonaと呼ばれる隠された意味があったりとフラソングの詩を訳す作業の時は難しく、その歌詞の真実の内容は曲を作った本人にしか分からないとさえ言われているのです。
全てに意味があるハワイ語
日本でもなじみのある「Aloha」という言葉には<挨拶>や<愛>だけではなく他にも多くの意味があり、調べていくとハワイの人々の道徳的な考えに感心します。
最も代表的な解釈は下に書いた細切れにした単語の頭文字を繋げてAlohaになったという説です。
*Alo…一緒にいる
Oha…幸福
Ha…命の息吹
A…命・生命
*Akahai…思いやり
Lokahi…協調性
‘Olu’olu…喜び
Ha’aha’a…謙虚
Ahonui…忍耐
「魂がそこにある、あなたの魂を感じる」という意味がある下の文の解釈はとても詩的だと感じるのは私だけではないでしょう。
*Alo…~の前に
Ha…息・命・魂
実はこのAlohaという言葉の意味は他にも数多くあり、機会があれば再度コラム執筆に挑戦したいと考えています。
自然が作り出すハワイ語
ハワイ語では全ての言葉に意味があり、魂(mana)が込められていると言われていて海や山、川、その土地の名前も掘り下げると全てにストーリーがあります。
例えばマウイ島の有名な山HaleakalaはHaleは家、Ka laは太陽、つまり1番最初に太陽が昇ってくる家という意味がありますし、Pua(通常花という意味)という言葉は 人々、子供達、Puaの前にOがあれば海辺にプカプカ浮かぶ白い雲と訳され決して<花>という意味だけではないのです。
そこで再びやっかいな事に上の文で海辺で~と書きましたが、これが山にかかる雲や土地が変わると他の呼び名になるのがハワイ語の難しいところなのです。
自然に関係する言葉にはその土地、情景などによって呼び名が変化しますので身近な言葉でいくつか紹介していきます。
匂い・香りに関する言葉
・onaona …オナオナ…やさしい香り(性格が優しい)
・’a’ala …アアラ…芳香、香りのよい(高貴な)
・kupaoa …クパアオア…強い香り
・moani …モアニ…風に運ばれてくる香り
雨に関する言葉
・霧雨…キリフネ(kilihune)、リリノエ(lilinoe)、ノエ(noe)
・にわか雨…ウア・ナーウル(ua nāulu)
・冷たい雨…キリ・ハウ(kili hau)
・大雨…ウア・ロク(ua loku)
・突然の雨…イリラニ(ililani)
・大粒の雨…ウア・へキリ(ua hekili)
雨については島の地区ごと、降る雨ごとに異なる呼び名があり、なんと200以上の雨の呼び名があり「雨」だけの辞書があるほどですが、ここでは有名な3例だけ書いておきます。
・オアフ島マノア地区の雨…トゥアヒネ(tuahine)
・ハワイ語ヒロ地区の雨…カニレフア(kanilehua)
・カウアイ島のハナレイ地区…カウアロク(ka ua loku)
風に関する言葉
・キプウプウ Kīpuʻupuʻu (キープウプウ)…ハワイ島ワイメア地区に吹く冷たい雨風
・アパアパア ʻĀpaʻapaʻa (アーパアパア)…ハワイ島コハラに吹く強風
・カイアウル Kaiāulu (カイアーウル)…オアフ島ワイアナエ地区に吹く風
以上はほんの少しの例で、実際にはもっと多くの呼び名がありフラを学んでいる人はフラソングの中に色々な雨・風・香りに関する言葉が歌詞の中に出てくるので見直してみるのもいいのではないでしょうか。
その結果同じ「風」のモーションでも<強く吹く風>を表現したり、爽やかな<そよ風>を表したりとフラの表現が違ってくるでしょう。
ハワイ語をほんの少し勉強しておくと踊るのが今よりもっと楽しくなると思いますので、ハワイ語の持つ難しさ、美しさ、意味深さにぜひ触れてみて楽しんでください。
Rinko