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タヒチアンダンスと聞いて何を思い浮かべますか?最近では、フラダンスは大分メジャーなものとなっていますが、タヒチアンダンスと聞いてピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。太鼓のリズムに合わせて激しく踊っているのを見たことはありませんか?これは、タヒチアンダンスの「オテア」というものです。
タヒチアンダンスの歴史をさかのぼると、古代タヒチでは男性は戦いの前に踊り、女性は楽しみとして踊るという習慣があったようです。元々、タヒチアンダンスは女性だけのものではなかったようです。

タヒチアンダンスの起源

タヒチアンダンスはポリネシア人によって生み出された踊リで、古代からタヒチに伝わる伝統文化です。大昔にサモアやトンガでポリネシア文化を作り出したポリネシア人は太平洋を渡って、タヒチにたどり着きました。そこで、神様に食物の豊作を祈ったり戦いの神様に祈りをささげるとき、または娯楽としてダンスを踊っていました。その踊りや音楽が発展し、タヒチアンダンスの元になっているようです。
あれ?ハワイじゃないいの?と思うかもしれませんが、タヒチアンダンスはハワイ発祥のフラダンスとは深い関係があります。タヒチでダンスや音楽が発展した数百年後、ポリネシア人の子孫はさらに北へと太平洋を渡り、ハワイにたどり着きます。そして、タヒチアンダンスなどのポリネシアン文化がハワイで独自に発展し、フラダンスを生み出したと言われています。

タヒチアンダンスはどんな踊リ?

タヒチ語で「Ori Tahiti」は、タヒチアンダンスという意味ですが、オリタヒチは「人に何かを伝える」ということも意味します。「Ori」(オリ)はタヒチ語で「踊る」という意味です。文字を持っていなかった古代ポリネシア人は、ジェスチャーを使っていました。気持ちを込めて踊ることで何かを伝えるというのが、タヒチアンダンスなのですね。タヒチアンダンスは、きちんとステップは決まっていますが振付をきちんと守って踊ることだけではありません。気持ちを込めて自分が気持ちよく楽しく踊ることがタヒチの人々の楽しみ方です。

オテアとアパリマ

オテアとアパリマ

タヒチアンダンスには大きく分けると2種類あります。

力強くダイナミック、男性も魅力的なオテア

タヒチアンダンスとしてイメージされるのは、オテアが多いのではないでしょうか。オテアは神話や言い伝えを伝承するものとしてだけではなく、男性が戦いの前などに気分を高揚させるための踊りでした。男性は足の動きが特徴的で、その踊りは素早くとても力強いものです。男性のたくましさが際立つ踊りですね。女性の場合は腰を激しく動かすことから、ダイエットに効果があるとして日本でも注目されはじめています。
オテアの音楽は、タヒチの伝統的な打楽器トエレや太鼓を使います。そのため、歌詞やメロディーはありません。テンポのよいトエレのリズムとダンサーの足使いや腰使いが合わさって、生命力の溢れるオテアが完成します。古来ポリネシアの男性が、打楽器の力強い響きにあわせてステップを踏んで高揚感を高め、戦いに臨んだ様子が伝わってくるようかのようですね。オテアは男性の魅力が十分に発揮される踊りです。
オテアの魅力であるワイルドさは、その衣装にもあります。男性は、足の動きが良く見えるようにマロと呼ばれるふんどしのようなものを身につけ頭や首に飾りをつけます。女性はモレというスカートやパレオを着ることが多いですが、丈は短く腰の動きが強調されるような衣装です。

手を使って表現する優雅なアパリマ

オテアとは対象的なタヒチアンダンスがアパリマです。アパはタヒチ語で「踊る」、リマには「手」という意味があります。オテアとの大きな違いは、アパリマにはメロディーや歌詞があり、手を使って歌詞の意味を表現するところでしょう。ハンドモーションを使うところは、フラダンスと共通していますね。また、アパリマの衣装は足が隠れるようなパレオやロングドレスを着ます。足が隠れることによって、手の動きや顔の表情が際立つようになっていますね。

歴史あるお祭り「ヘイヴァ・イ・タヒチ」

日本ではまだ見る機会の少ないタヒチアンダンスですが、本場タヒチでは「ヘイヴァ・イ・タヒチ」というお祭りが毎年7月に開かれています。ヘイヴァはタヒチ語で「祭り」や「演技」という意味があるので、ヘイヴァ・イ・タヒチは「タヒチのお祭り」という意味になります。ヘイヴァ・イ・タヒチは、ポリネシアの伝統的なカヌーのレースややり投げなどのスポーツの大会が約1ヶ月間続きますが、一番盛り上がる最大のイベントはやはり、タヒチアンダンスのコンテストでしょう。男性、女性、個人戦、団体戦、音楽や衣装デザインなど、各部門に分かれて頂点を目指します。インターネットでも最優秀ダンサーの踊りを見ることができますから、本場の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。動画からでもその迫力と会場の盛り上がりが伝わってきますよ!
2018年のヘイヴァ・イ・タヒチはなんと第137回目になります!第1回目は…1881年の7月のようです。とても歴史のあるお祭りですね。

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