フラダンスを優雅に踊っている女性の姿を思い浮かべてみてください。身体の特徴で印象的な部分に、黒くて長い髪型があります。フラダンスをする女性はたいてい腰まであるような長い髪型をしていることが多く、踊りの最中、ゆらゆらと揺れる髪はフラダンスの印象を決定づけるほどの影響を持っています。日本でフラダンスをしている先生やお稽古に打ち込んでいる生徒さんたちはもちろん、本場ハワイのフラダンスのダンサーも多くが髪を伸ばし美しくキープしています。

フラダンスの先生も習い始めると「髪の毛を切らずに、そのまま伸ばしてね」と伝えるケースがほとんどです。ここでは、「なぜフラダンスでは長い髪型をする必要があるのか」についてご紹介します。

あまり知られていない髪型を長くする理由

フラダンスを習い始めた女性が、まず先生からいわれることが「髪を切らないで」「そのまま髪を伸ばしてね」です。ショーへの参加を強く求められたり、フラダンスで必要なグッズを買いそろえるようにいわれたり、そうした習い事につきものの話は教室によってまちまちで、先生の方針の違いが大きく影響します。しかし、「髪型を長くする」という点に限っては、どの教室でも、先生でも、ごくナチュラルなことです。

ハワイのフラダンスの映像を見るとわかるように本場のダンサーもみんなとても長い髪型をしています。長い黒髪は踊り始めると目に行きやすいだけに、フランダスを大変エレガントなものにしてくれるのです。しかし、どうして「髪型を長くする」のでしょうか。フラダンス初心者なら誰しも先生から聞く話ですが、本当の理由を知っていたり、聞いたりしている人は意外に少ないかもしれません。

女性の髪にはマナが宿る

フラダンスの女性ダンサーが髪型を長くしている理由は諸説あります。そのなかでも一番よく聞くのは「髪の毛にはマナが宿っているから」という説です。フラダンスのはじまりは神様へ自分たちの信仰を表現するのが由来だったといわれます。ハワイの人々は文字を持たなかったため、全身で踊って神様への親愛の思いを捧げていました。つまり、フラダンスはとても神聖な踊りだったのです。

なかでもフラダンスの古典である「カヒコ」は、非常に神聖な踊りとして扱われてきました。踊るときにはいくつかのしきたりがあって、なかでも髪の毛を切ってはいけないというおきてがフランダンスにも影響しています。「カヒコ」を踊るダンサーは必ず髪型を長くしていなければならないというわけです。なぜ髪を切ってはいけないというしきたりが生まれたのでしょうか。

それは、ハワイにはすべてのものに精霊であるマナが宿ると考えられているからです。女性の象徴ともいえる長い髪をそのまま保つこと。ハワイの人々はそれがマナを尊び、神様へフラダンスを捧げるときに欠かせないことだと考えたのでしょう。

現代フラダンスはあまり髪型にこだわらない?

現代フラダンスはあまり髪型にこだわらない?

アウアナと呼ばれる現代的なフラダンスでは、あまり長い髪型にこだわっていないように見えます。アウアナのフラダンスの映像では、髪型の長い人は意外に少なく、アップにしている女性が目立ちます。マナが宿るといわれる髪の毛を神聖なものとしてしきたりを守るのなら、アウアナでも髪を下ろして踊るのがナチュラルでしょう。

さすがにショートヘアでフラダンスをしている女性は見かけません。実際、髪型の長いかつらを着用してフラダンスを踊っている女性がいるからです。ただ、フラダンスの教えを忠実に守っている教室では、先生からカツラは付けず、あくまで髪を伸ばすことという話をされます。

髪型を長くするというのは、見た目の美しさ以以上にハワイで長い時間を通して培われてきた宗教的な意味合いが大きいといえます。カツラがダメならエクステンションはいいのかというと、マナが宿るというハワイの人々の中に受け継がれた思いを考えると、YESとは簡単にいえないかもしれません。

発表会やショーでは実際にどうしている?

フラダンスの教室による発表会やイベントのショーでフラダンスを披露する場合、長い髪型を三つ編みにしてウェーブを作ります。三つ編みにする理由はよくわかっていませんが、ハワイの人々の髪質をイメージすると理解できる気もします。現地の人々はストレートやウェーブいわゆる天然パーマの人までさまざまなので、全体的にウェーブの髪型で統一した方がステージで映えるからです。

日本ではウェーブがそれほどキツい人は少ないものの、ストレートのまま踊っている人はほとんど見かけません。ただ、教室によって三つ編みでウェーブにしなければならないところ、ストレートでもよいところなど、さまざまあるようです。

発表会やショーの前日から三つ編みとウェーブの準備をします。洗髪後、髪が乾かし三つ編みを作ります。大切なのは毛先までウェーブを効かせることです。毛先の部分は三つ編みにしたところに巻き付けたり、二つ折りにしてヘアゴムで結んだり、工夫が必要になります。当日三つ編みを外しクシでウェーブをほぐした際は、仕上げにヘアスプレーを髪全体にふりることがお薦めです。ウェーブが汗や湿気に強くなり長持ちます。

まとめ

なぜフラダンスを踊る女性はロングヘアにしているのか、おわかりいただけたでしょうか。マナに対するハワイの人々の敬虔な思いが今に伝わっていることを思うと、できるだけ髪型を長くしてフラダンスを楽しみたいですね。